「平和大使」2009年11月1日(第94号)大学教授


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文総裁は平和を愛するとはいえ、単なる念仏平和主義者ではない。

 

 本書は、文総裁の長い現実の体験に基づいた人生の知恵に満ちており、「人生いかに生きるべきか」という重要なテーマについて、貴重な教訓を与えている。

 

 幼少の頃からの身の回りの昆虫、動物、植物、樹木などに関する深い関心はファーブルの『昆虫記』やシートンの『動物記』を髣髴させる生命への関心と愛情であり、さらには地球全体の環境問題や宇宙や海洋への関心は、その幅広さを再確認させてくれた。また、政治的にはジンギスカーンに比較できるし、あらゆる分野での天才についてはアリストテレス、レオナルド・ダヴィンチに似ていると、本書を読んで、その点を再確認できた。

 

 最近、韓流の時代劇を多数見ているが、朝鮮民族の特徴が文総裁の人生に凝縮されている。まさに頑固なくらいに困難を克服して大業を達成する。また、リトルエンジェルス(韓国少女民族舞踊団)の公演を見て感じたことは、朝鮮民族の洗練された芸術性の高さと感性の豊かさであるが、はからずも本書で明確に述べている。日本人が失ってしまった大業という人生の目的、人間の尊厳性や気品、人情の豊かさ、礼節等を朝鮮人が現代においても、さらには時代劇においては見事に体現しているが、本書では朝鮮の伝統的文化として明確に主張している。

 

 ちょっと困難に遭遇すると1年もたたずに政権を放棄する日本の首相の軟弱さと比較して文先生は地獄のような迫害や艱難に遭いながらも、何と強靭にそれらを克服して生き延びることか。何度かに及ぶ監獄の生活も含め、あらゆる迫害に耐えた強さは信仰に支えられているとはいえ、まさに驚嘆に値する。

 

 文総裁は平和を愛するとはいえ、単なる念仏平和主義者でない。本書では、この点が明確にされている。環境問題、食糧問題、平和問題、南北朝鮮の統一問題など、あらゆる人生の側面について透徹した現実主義に基づいた処方箋を打ち出し、かつ着実に実践している。

 

 また、日本におけるあらゆる偏見と誹謗と中傷にもかかわらず、冷静に客観的に評価するならば、まさにメサイア、少なくともアジアの輩出した、稀に見る英傑であるのは間違いない。旧日本軍や警察によりあれほどの拷問にあったにもかかわらず、怨讐をこえて日本の将来も役割もしっかりと考えて日本再生のための処方箋を打ち出しておられるのも感謝するしかない。